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虹色のトロツキー 全8巻

日本人の父と蒙古人の母を持つ、満州生まれの若き青年将校の物語。

トロツキーを抱きこんでの関東軍の謀略に巻き込まれながら、次第に自らが背負った宿命を知り、挑んでゆく…。
満州という国をめぐって、どういう人々がどういう立場に置かれていたか、どう感じて生きていたか、ロマンたっぷりにダイナミックに描写されている。

安彦良和氏と言えば、もちろん「ガンダム」のキャラクターデザインを手がけた人として有名ですが、一方では「アリオン」「ナムジ」「王道の狗」など、神話や歴史を題材にした作品を数多く手がけているマンガ家としても知られています。

時代背景の描写は難しく、どうしても言葉の説明に頼ってしまう部分はあるんですが、圧倒的な描写センスと想像力はそれらを補って余りあるものがありますね。

「この時代を、この人ならどう描くのだろう…?」

いつしかわくわくしながら読んでいる自分がいます。

手軽に読める点もマンガの魅力ですね^^


安彦良和
中公文庫コミック版
各533円+税

1クリック募金。

1クリックでできる事は限られてるかもしれませんが、有効に使ってくれる人に託せることを知りました。

一つ一つは小さな親切でも、集まればそれなりの威力はあると思います。

普段は闇に閉ざされている所に少しでも光が届いてくれれば。

少しでも世界が穏やかになってくれれば。


誰も見てやしませんから(笑

照れないでクリックしてみませう♪

増補版 標準世界史地図

 僕は「地図」というものは引用しやすくてナンボのものだと思います。

 それが道に迷った時であれ、本を読んでいる時であれ、傍らに置いてちょちょいと索引できるようでなければいけません。

 それには、いくら詳しくても「分厚い上にハードカバー」では困るのです。


 そこで色々吟味した結果、受験生が世界史の勉強に使うこの地図帳におちつきました。

 付録や索引を含めて総ページ数が82ページあまり。

 この薄くて横に長い地図帳に、歴史に登場する地名が時代ごとにぎっしり詰まっています。


 地名や偉人が辿った軌跡などを眺めていると、大して勉強してもいないのに不思議とあれこれ空想できて面白いです。


吉川弘文館

亀井高孝・三上次男・堀米庸三 編

¥600+税

蝶の戦記 上・下

寝床を掃除していると、以前夢中になって読んだ忍者活劇が出てきました。


魅惑のくの一・於蝶が戦国~姉川の合戦を舞台に縦横無尽に大活躍する。

要所で惜しみなく女の武器を使う於蝶。

まさに大胆不敵^^

自信満々なところがかっこいい♪

きっとハセキョーのような顔してるんだろうなぁ←願望


怪人「杉谷のおばば」の裸身を「干物」とバッサリ形容する池波正太郎の粋もうれしい。

「食」への独自のこだわりが有名ですが、こういったユーモアの効いたシンプルな形容も捨てがたく小気味いいです。

時代娯楽小説のジャンルは、やはりこの人をおいては語れないものがありますね。


以上、ちょっと古い本を出してみました。


文春文庫 い45・46

各480円


「琉球王国」

 15世紀に成立し、400年余り続いた沖縄の王国「琉球王国」。
 南海交易の中継地として栄えた古琉球時代を中心に、その全体像を解き明かしていきます。
 かつて沖縄の地に王国があり、本土とは別個に海外と国交を結び、交易の中継によって栄えていたと考えると、ちょっと不思議な感じもします。
 海を越えたアジアの巨人・明帝国は、自ら敷いた海禁政策の影響もあり、海外交易の利益を効率良く吸収するシステム整備に後年苦心しました。 また、海外との交流に慎重だった日本にとっても、貴重な舶来品を中継してくれる「琉球」の存在は重要でした。
 これらの国に囲まれていながら、諸外国と交流があることが普通だった「琉球」という国の存在は、地理的条件も加わって殊更重宝されたらしいです。
 明などは、琉球王を冊封した上、交易に使用する外洋ジャンクを無償で与え、維持管理の費用まで与えていたそうで。
とにかく、「冊封」という明のいわば「お墨付き」を得た琉球は、いよいよ積極的に南海交易に乗り出していきます。
 後年は、外洋ジャンクを自前で建造できるまでになっていたそうです。
 とかく日本の侵略でつらい目に合ってきたと思われがちな琉球ですが、国の規模そのものから考えれば、むしろ特権的な扱いを受けてきたとも考えられます。
 もし、こういった交易に関する特殊な優位性が無ければ、これほど長きに渡って独立を維持することはたぶん不可能だったでしょう。
 文化的には「ほぼ日本」といっていい沖縄が、本土とは対照的に明と巧みに上手い関係を維持し、それを後ろ盾に南洋に勇躍していたという事実は、なんとなく夢があっていいかも。
岩波新書261
高良倉吉著
定価580円
 

「世界遺産 アンコール遺跡の光」小学館文庫838

これはひょっとして凄い本に当たったかもしれません。
本文221ページを、実に117点ものカラー写真が飾る。
文庫サイズながら、どれもこれも素晴らしい写真ばかりでしかも¥838+税という手軽さ。この値段で手に入るなら、小さくても全く問題無しでしょう。


アンコールやボロブドゥールなどの遺跡を眺めていると、つくづく「アジアの文化は『生』と『絶頂(エクスタシー)』と『死』だな」と感じます。
西洋の文化は、どんなに輝いた黄金期にあっても、システマチックな要素をどこかに感じます。例えば財力という担保があったり、稀有な才能がギルドという組合によって守られていたり…。
しかしこれらアジアの遺跡を飾る石の細工は、世界中のどんな作品と比べても決してヒケを取らない、いやむしろ地上最高と言ってもいい程の才能と情熱が注ぎ込まれているにも関わらず、それらを現出せしめた王朝はにわかに登場しすぐに滅んでしまいます。
これだけの作品群と建築の技術をじっくり蓄積させる要因がまるでないのです。

最も、この辺りはそもそも歴史的資料に殊更乏しい地域でもあります。単に記録が無いだけで、あるいはきちんとした文化が脈々と受け継がれてきたのかも知れません。

いずれにせよ、深い深い森の奥底から突如空前の建築物が現れるインパクトは計り知れないものがあります。まさに「絶頂」と形容するにふさわしいではありませんか。


書名:世界遺産 アンコール遺跡の光
写真・文:田村仁
監修:石澤良昭
定価:¥838+税

「海の帝国 アジアをどう考えるか」中公新書1551

白石 隆著
 近代、東南アジアの殖民支配の主導権がスペイン→オランダ→イギリスと移り変わって行く中で、どういうメカニズムが働いていたか。
 イギリスが派遣したアジアのスペシャリストでありシンガポール建設者としても知られるトーマス・S・ラッフルズの描いた東南アジア経営の青写真などを引用して分析、整理していく。

 新書って、専門書に手が届かない一般人でも読めるようにってコンセプトの割には書き方が小難しい本が多いすね(^^;よ~く読めば何でもないことを、わざわざ難しく説明してるような部分が多くて、無学な拙者は読むのに一苦労。
 「教える」っていう事は「説明する」って事じゃなくて「相手に理解させる」ってことだと思うんです。それに、物事を良く理解している人は、説明も分かり易いものだと思います。
 京都大学東南アジア研究センター教授なんていう凄い肩書き持ってる人に、ドエライ身のほど知らずなこと言ってますが…(^^;

 ホスト国としてのイギリスが利益をあげるためには、東南アジアをどう経営していくべきか。また、それが現実ではどう歪められていったか。
 基本的には、当地に恩を与えることが長期的に見てホスト国の利益にも繋がる訳ですが(ラッフルズ主張)、我々はどうも安きに流れやすいという部分がありまして。結局、華僑シンジケート(アヘン取引など)と癒着して、本来あるべき姿からかけ離れたものになって行き、最終的に失敗に終わる。
 アメリカの極東政策は、日本の支配を通じて今のところ成功を収めていて、この事との対比が印象的。

「海賊の歴史」 創元社「知の再発見」双書

フィリップ・ジャカン著/増田義郎監修 ¥1400+税

 このシリーズは絵が多くていいですね。
 地中海時代~新大陸辺りをメインに、東西交易時代や倭寇についても少し触れてます。

 本文よりも、図の解説の方がいいです。海賊の生活の一面を具体的に描写してくれるので、結構臨場感あります。
 ただこの本、地名が多々登場する割には地図があまり載ってないので、別途で地中海やカリブ海あたりの地図を用意しといた方がいいかもしれません。

 当時の人々が海賊をどう英雄視していたかについて、当時の文献の挿絵などの引用が新鮮。

「アンコール王朝展」

 西新宿「世界遺産プラザ・ギャラリー」にて開催されていた「アンコール王朝展」を観てきました。

 この分野、ある程度資料をあさったりなどはあったんですが、こうしたイベントに単身乗り込むのは初めての経験で、結構ワクワクしました。
 内容は、まぁ入場料500円なりの内容で、こぢんまりしたものでしたがそれほど酷い内容という訳でも無かった気はします。

 アンコール・ワットの中央の寺院の模型(2×3mくらい)は見事でした。
 写真も壮観なものがありますが、ミニチュアとはいえこれだけのサイズとなると迫力はありますね。
 5つ首の「ナーガ」像も良かったです。四方の楼閣の守護として配置されるものらしく、奇数首を持った蛇です。これは結構有名な品で、何度か書籍資料でも目にしたことがあり、ちょっと興奮しました^^

 この辺のレリーフや像に見られる性表現は、インド方面に比べるとやや控えめだと何かの本で読みました。確かに直接の描写はありませんで、上半身をはだけた天女(アプサラス)が浮かべる妖艶な笑みと雰囲気は、官能的でありながら下品にならない絶妙なバランスであり、非常に好印象です。

 「乳海攪拌図」などの物語構成の大規模レリーフなどはまさに一大スペクタクル
!当時の人々にとっては「ベン・ハー」や「十戒」などの作品並みの感動だったことでありましょう。

 ちなみに書籍関連の展示物もあったんですが、こちらは閉じたまま展示されているのみで、中身は見れませんでした。
 例え本自体はレプリカだったとしても、「本人が描写した貴重な図版を多数収録」などと説明に書くくらいなら、せめてパネルなどで中身を紹介してほしかった気がします(-_-;


 このテのイベントにはまるで初心者の拙者には、丁度良い規模でした。
 本来こういうイベントは説明書きをざっと読むだけで内容が把握できるレベルになってから行くのが基本なんでしょうが、何しろ勉強不足で解説の内容把握に手間取り、なかなか展示品に集中できなくて苦労しました。
 
 良い経験になりました^^

「遺跡が語るアジア」

中公新書1745 1029¥

 アジアの遺跡を、写真を中心に綴っていきます。
 その中に、何故かアウシュビッツ収容所が含まれている。また、「旧・朝鮮総督府」も「遺跡」としては微妙かも。
 ただ、それ以外は期待通りの内容でした。

 結構この辺の遺跡って、紛争地帯にあることが多いんで、貧しいわ戦うわでボロボロに傷んでることが多いみたいなんすよね。

 地元住民は平気で仏像穿り出して売っ払うし(^^;
 でも、そんなとこが逆にアジア臭くていい。
 こんなこと、研究者の方が聞いたら不謹慎に思うかもしれないけど…でも結局昔から遺跡って盗掘という形で地元経済に貢献してきたし^^
 元の状態で保存しようなんて「観光」って概念ができてから一般化したもので、学術的な意味ってあくまで二次的な物だと拙者は思うんすよ。
 第一、元々地元の人々の富を搾取して作られたものがほとんどなんだから、単にそれを還元してるだけなんじゃ…?
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